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第12回 最高のBGM

ケビン 山崎   2009年10月30日 金曜日

kevin_12_01トータル・ワークアウトにきたら、まず僕らが提唱するトレーニングを3週間してもらう。なぜ3週間かと言うと、人間の適応能力は素晴らしいものがあって、3週間あれば何でも身に付くんだ。例えば、ハワイに3週間いたとすると、3週間目には美しい海も見慣れたものになって、日本にそろそろ帰りたくなる期間でもある。それはトレーニングでも同じこと。だから僕らは物事を吸収するには、3週間が一番効率よくて次のステップへ生かせるいい期間だと考えて、それをトレーニングにも組み込むことにしている。この3週間という期間は、プロのアスリートだけに限らずトータル・ワークアウトにくるお客さん全員に適用している。

幸いにも僕の指導する選手の中には、来年2月に開催される冬季バンクーバーオリンピックを目指すアスリート達もたくさんいる。その中の一人にスキークロスという競技で出場を目指す河野健児というスキーヤーがいる。スキークロスはジャンプやバンクなどがあるスキーコースを滑り降り、4~6人で順位を決める雪上のレース競技なんだ。この競技は雪上を滑ったりジャンプしたりという下半身の強さだけじゃなく、他の選手にあたり負けしないような上半身の強さも必要とされる過酷な競技なんだ。過去にウエイト系のトレーニングを重点的に行っていた河野選手に僕のトレーニングを3週間施した。その期間はウエイトトレーニングをほとんど行わなかった。だから最初の1週間くらいはなかなか要領を掴めずトレーニングの効果にも首をかしげていたように思う。彼は生まれつき体の作りがしっかりしているんだ。だから僕の役目は、その体を整備することにあった。筋量は増やさずに、効率的な体の使い方を示した。3週間目には実感があったようで、体にキレが出来たと言っていたよ。彼くらいのアスリートになれば、今回身に付けた新しい感覚を雪上で適応させることは簡単だと思う。

kevin_12_02来年の2月に開催されるバンクーバーオリンピックに向けて、世界中の選手が今シーズンを頑張っているように、日本にも期待のアスリートが何人もいる。モーグルの西伸幸選手、スキークロスの福島のり子選手、フィギアスケートの西野友毬選手など、現在僕がトレーナーをやらせてもらっている選手達も、「来たるその時」に向けて一瞬一秒を欠かさず練習に励む毎日を送っている。この中からメダリストが出ることを願っているし、メダルを取ることがあればトレーナー冥利に尽きるね。これまでに様々なメディアが僕のことを否定的な記事として取り上げてきた。でも誰がなんと言おうと、僕は彼らにとっての最高のBGMでありたいと思っているんだ。なんせ僕の役割は選手を鍛えること以上に、彼らが結果を残すことにあるんだからね。

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